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若い人にも増えている逆流性食道炎


逆流性食道炎とは

胃から胃液(胃酸)が逆流してくる病気と、胃液の逆流によって食道に炎症が生じたものを逆流性食道炎といいます。しつこい胸焼け症状が特徴です。

症状

・胸焼け(胸が焼けるような熱感や痛みを感じたる)

・呑酸(口の中にすっぱい水が戻ってくる感じ・喉にヒリヒリ感や違和感などを感じる)

・お腹の張り

・頻繁にげっぷがでる

・よく咳込む

・胃もたれ

・胃の痛み など

食道と胃のつなぎめにあたる下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)の筋力の低下があげられます。通常は、下部食道括約筋が胃液の逆流を防いでいるのですが、この筋肉が加齢などによってゆるむと、胃の中のものが簡単に食道に戻ってきてしまうのです。

脂肪や糖質の多い食事をよく食べる、腰が曲がっている、ストレスが多い、太っている方などが起きやすいといわれています。

便秘や食生活汚も原因に…

若い人に逆流性食道炎が起こる原因の一つは、「便秘」によって腹圧が高まることです。

お腹が張っている時、胃は腸からの圧迫を受け、食道への逆流が起こりやすい状況になるのです。常習性便秘症の人の約10%に逆流性食道炎が見られ、慢性的な便秘によって常にお腹が張った状態になると、若い人でも逆流性食道炎が起こりやすいことがわかっています。 また、脂肪分の多い食事をすると、十二指腸からコレシストキニンというホルモンが分泌され、下部食道括約筋がゆるんだり、胃酸が増えたりします。これは、脂肪がほかの栄養素に比べて消化に負担がかかるからです。そのため、脂肪分の多い食事を好んで食べる人にも、逆流性食道炎が起こりやすくなります。

放置するとつらいだけでなく、「がん」のリスクも

逆流性食道炎はつらい症状であるだけでなく、放置すると潰瘍に進行したり、食道がんのリスクが高まります。また、逆流性食道炎の原因となる便秘や高脂肪の食事は、大腸がんのリスク要因でもあります。

セルフケア

生活習慣の改善では、脂肪分の多い食事を控え、胃への刺激の少ないものを腹八分目で食べるようにします。酸味の強い食品も控えたほうがよいでしょう。また、お腹をベルトできつく締め付けすぎない、無理して重いものを持たない、肥満に注意するなど、腹圧が高まるのを避けることも大切です。

食生活では、油をオリーブオイルに変えることも、逆流性食道炎の予防や緩和につながります。オリーブオイルを使った料理を食べた後は、胸焼けなどの症状がほとんど出てきません。油脂が下部食道括約筋に及ぼす影響を調べた調査では、オリーブオイルは下部食道括約筋をほとんどゆるめないという結果が出ています。これは、オリーブオイルが消化に負担をかけないためと考えられます。また、オリーブオイルには便秘を改善する効果もあります。

つらい状態を放っておかずに、まずは受診を

胸焼けやゲップなどは、少し食べ過ぎた時にも起きる状態であるため、病院を受診するほどではないと思いがちですが、食事のたびにつらい思いをするのでは、十分な栄養も摂れなくなってしまいます。


症状が続くようなら、胃腸科、内科、消化器科を受診しましょう。

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